教科書 00
まだ1冊も出したことがない人のための、1冊目を出すまでの全手順です。
費用はかかりません。原稿さえあれば、実際の作業は数時間で終わります。
先に全体像をお伝えします。Kindleで本を出すのに、出版社も、審査を通す人脈も、初期費用も要りません。必要なのは、原稿と表紙と、Amazonのアカウントだけです。
費用はゼロです。表紙を外注すれば費用は発生しますが、1冊目は自分で作って構いません。
Kindle Direct Publishing(KDP)のサイトで、普段使っているAmazonアカウントを使って登録できます。入力するのは、住所・電話番号・振込先の銀行口座、そして税に関する情報です。
ここで一度つまずく人が多いので、次の章で個別に説明します。
Wordファイル(.docx)のままアップロードできます。EPUBに変換する必要はありません。
注意点は3つだけです。
推奨サイズは縦2560×横1600ピクセル(比率1.6:1)。JPEGで登録できます。
デザインの良し悪しより、判断基準はひとつです。
KDPの画面で、次を登録します。あとから変更できますので、完璧を目指さなくて大丈夫です。
KDPセレクトは、90日間Amazonだけで独占販売する代わりに、読み放題(Kindle Unlimited)の対象になる仕組みです。
日本のストアでは、70%の印税を受け取るためにKDPセレクトへの登録が条件になっています。他で売る予定がなければ、登録して差し支えありません。
価格は手取りが変わるので、印税シミュレーターで確認してから決めてください。「価格×70%」が手取りではありません。
登録を終えると審査に入ります。通常72時間以内に結果が出ます。問題がなければ、そのままAmazonに並びます。
差し戻される代表的な理由は、表紙の寸法、著作権の確認、他サイトとの内容の重複です。指摘は具体的に届くので、直して再提出すれば通ります。
アカウント作成の途中で「税に関する情報」(税務インタビュー)の入力を求められます。ここを飛ばしたり、間違えたまま進めると、印税から自動的に差し引かれます。
金額で言えば、月10万円の印税なら毎月3万円の差です。1冊目を出す前に必ず終わらせてください。
この手続きの具体的な入力方法について、ネット上の情報は食い違っています。
特に「日本のマイナンバーを納税者番号(TIN)として入力すればよい」と書いている解説が数多くありますが、Amazonのヘルプは「日本の国税庁から割り当てられた個人番号は、外国の納税者識別番号として利用できない」と説明しています。実際にKDPのサポートへ問い合わせて同じ回答を得た、という報告も出ています。
そしてKDPの入力画面そのものが、答えの一部を出しています。「納税者番号(TIN)」の欄にあるヘルプを開くと、各国の例が並んでおり、日本については次のように書かれています。
ここに「マイナンバー」は出てきません。挙げられているのは整理番号と法人番号です。ネット上の解説とAmazonの画面が食い違っている、というのがこの件の実態です。
整理番号を探すとき、源泉徴収票に載っている「受給者番号」と取り違えないでください。まったく別のものです。
| 番号 | 発行するのは | どこに載っているか |
|---|---|---|
| 整理番号 | 税務署 | 自分で出した確定申告書の控え、税務署からの通知 |
| 受給者番号 | 勤務先の会社 | 源泉徴収票(社内の給与管理用の番号) |
| マイナンバー | 国(住民票の住所地) | 通知カード・マイナンバーカード |
このサイトは、自分で検算できたことしか断定して書かない方針です。ここは他人の税務状況まで確認できない領域なので、「必ず確認すべき箇所」であることだけをお伝えします。逆に言えば、ここを知らずに引かれ続けている人が実際にいます。存在を知っているだけで違います。
調べ始めると情報が多すぎて、出す前に力尽きます。次の4つは2冊目以降で構いません。
Kindleは、出したあとで本文を差し替えられます。誤字が見つかっても、章を書き足したくなっても、同じ本のまま更新できます。タイトルも、表紙も、価格も、説明文も変更できます。
実際、私は既刊に章をまるごと1つ追加したり、タイトルを変えたりしています。紙の本と違って、出したあとに育てられるのがKindleの構造上の利点です。
だから、完璧な状態を目指して出さないより、出してから直すほうが確実に前に進みます。
ここからが本題です。26冊出した実売データで書いたとおり、1冊目はほぼ確実に売れません。本の質の問題ではなく、単純に母数の問題です。
1冊目を出したら、次の順で手を打ってください。