AI出版ラボAI PUBLISHING LAB

ホーム教科書 / Kindle出版のはじめ方

教科書 00

Kindle出版のはじめ方

まだ1冊も出したことがない人のための、1冊目を出すまでの全手順です。
費用はかかりません。原稿さえあれば、実際の作業は数時間で終わります。

先に全体像をお伝えします。Kindleで本を出すのに、出版社も、審査を通す人脈も、初期費用も要りません。必要なのは、原稿と表紙と、Amazonのアカウントだけです。

用意するもの(これだけです)

  • 原稿 ―― Wordファイル(.docx)で構いません。EPUBに変換する必要はありません
  • 表紙 ―― 画像1枚。推奨は縦2560×横1600ピクセル
  • 銀行口座 ―― 印税の振込先。ご自身名義のもの
  • マイナンバー ―― 日本側の税務で使います

費用はゼロです。表紙を外注すれば費用は発生しますが、1冊目は自分で作って構いません。

全体は6ステップです

  1. 30分

    KDPのアカウントを作る

    Kindle Direct Publishing(KDP)のサイトで、普段使っているAmazonアカウントを使って登録できます。入力するのは、住所・電話番号・振込先の銀行口座、そして税に関する情報です。

    ここで一度つまずく人が多いので、次の章で個別に説明します。

  2. 原稿しだい

    原稿を用意する

    Wordファイル(.docx)のままアップロードできます。EPUBに変換する必要はありません。

    注意点は3つだけです。

    • 表紙を本文の中に入れない。表紙は別ファイルで登録します
    • 章タイトルに「見出し1」スタイルを当てる。これで目次が自動生成されます
    • ページ番号やヘッダーは入れない。電子書籍に固定のページはありません
  3. 1〜2時間

    表紙を用意する

    推奨サイズは縦2560×横1600ピクセル(比率1.6:1)。JPEGで登録できます。

    デザインの良し悪しより、判断基準はひとつです。

    スマホの一覧に並んだ親指サイズで、タイトルが読めるか。
    読者が最初に見るのは、実物大の表紙ではなく数センチのサムネイルです。 文字を大きく、要素を減らしてください。凝ったデザインより、読めることが先です。
  4. 1時間

    本の情報を入力する

    KDPの画面で、次を登録します。あとから変更できますので、完璧を目指さなくて大丈夫です。

    • タイトル・サブタイトル ―― ここが売上を大きく左右します。タイトル検索性チェッカーで確認できます
    • 著者名 ―― ペンネームで構いません。本名は公開されません
    • 内容紹介 ―― 商品ページに出る紹介文
    • キーワード(7枠) ―― 読者が検索しそうな語を入れます
    • カテゴリ ―― 本が並ぶ棚。複数選べます(選択できる数は画面の表示に従ってください)
  5. 15分

    価格とKDPセレクトを決める

    KDPセレクトは、90日間Amazonだけで独占販売する代わりに、読み放題(Kindle Unlimited)の対象になる仕組みです。

    日本のストアでは、70%の印税を受け取るためにKDPセレクトへの登録が条件になっています。他で売る予定がなければ、登録して差し支えありません。

    価格は手取りが変わるので、印税シミュレーターで確認してから決めてください。「価格×70%」が手取りではありません。

  6. 最大72時間

    審査を待って、公開

    登録を終えると審査に入ります。通常72時間以内に結果が出ます。問題がなければ、そのままAmazonに並びます。

    差し戻される代表的な理由は、表紙の寸法、著作権の確認、他サイトとの内容の重複です。指摘は具体的に届くので、直して再提出すれば通ります。

いちばんつまずくのは、税に関する情報です

アカウント作成の途中で「税に関する情報」(税務インタビュー)の入力を求められます。ここを飛ばしたり、間違えたまま進めると、印税から自動的に差し引かれます。

KDPはアメリカの会社なので、初期設定では米国の源泉徴収の対象になります。 その税率は30%です。日本とアメリカのあいだには租税条約があるため、 正しく申告すれば0%にできますが、手続きをしなければ引かれたままです。

金額で言えば、月10万円の印税なら毎月3万円の差です。1冊目を出す前に必ず終わらせてください。

ここで、正直にお伝えしておきます

この手続きの具体的な入力方法について、ネット上の情報は食い違っています。

特に「日本のマイナンバーを納税者番号(TIN)として入力すればよい」と書いている解説が数多くありますが、Amazonのヘルプは「日本の国税庁から割り当てられた個人番号は、外国の納税者識別番号として利用できない」と説明しています。実際にKDPのサポートへ問い合わせて同じ回答を得た、という報告も出ています。

そしてKDPの入力画面そのものが、答えの一部を出しています。「納税者番号(TIN)」の欄にあるヘルプを開くと、各国の例が並んでおり、日本については次のように書かれています。

「一般的な例としては、カナダのSIN、インドのPAN日本の整理番号または日本法人番号、 メキシコのCURP、シンガポールのNRIC/FIN、スペインのDNI/TIN などがあります」
―― KDP 税務インタビュー画面のヘルプより

ここに「マイナンバー」は出てきません。挙げられているのは整理番号法人番号です。ネット上の解説とAmazonの画面が食い違っている、というのがこの件の実態です。

まぎらわしい番号に注意

整理番号を探すとき、源泉徴収票に載っている「受給者番号」と取り違えないでください。まったく別のものです。

番号発行するのはどこに載っているか
整理番号税務署自分で出した確定申告書の控え、税務署からの通知
受給者番号勤務先の会社源泉徴収票(社内の給与管理用の番号)
マイナンバー国(住民票の住所地)通知カード・マイナンバーカード
会社員で、確定申告をしたことがない人は要注意です。 年末調整だけで完結していると、そもそも整理番号がまだ存在しないことがあります。 源泉徴収票をいくら探しても見つからないのは、載っていないからです。
所轄の税務署に電話すれば、その場で確認できます(無料)。これがいちばん早い方法です。
なので、このページでは入力手順を書きません。 税金の話であり、間違えるとお金が減るからです。 KDPの税務インタビューの画面に表示される指示に、そのまま従ってください。 入力の正解を探すより、結果で確かめるのが確実です。 インタビューを最後まで進めると適用される源泉徴収率が画面に表示されます。 そこが0%になっていれば成功、30%のままなら条約の特典が適用されていません。
判断に迷う場合の相談先は、所轄の税務署(整理番号は税務署が把握しています)か税理士です。

このサイトは、自分で検算できたことしか断定して書かない方針です。ここは他人の税務状況まで確認できない領域なので、「必ず確認すべき箇所」であることだけをお伝えします。逆に言えば、ここを知らずに引かれ続けている人が実際にいます。存在を知っているだけで違います。

1冊目では、やらなくていいこと

調べ始めると情報が多すぎて、出す前に力尽きます。次の4つは2冊目以降で構いません。

1冊目で、いちばん大事なこと

完成させて、出すことです。それ以外はあとから直せます。

Kindleは、出したあとで本文を差し替えられます。誤字が見つかっても、章を書き足したくなっても、同じ本のまま更新できます。タイトルも、表紙も、価格も、説明文も変更できます。

実際、私は既刊に章をまるごと1つ追加したり、タイトルを変えたりしています。紙の本と違って、出したあとに育てられるのがKindleの構造上の利点です。

だから、完璧な状態を目指して出さないより、出してから直すほうが確実に前に進みます。

出したあと、何をするか

ここからが本題です。26冊出した実売データで書いたとおり、1冊目はほぼ確実に売れません。本の質の問題ではなく、単純に母数の問題です。

1冊目を出したら、次の順で手を打ってください。

  1. 巻末を整える。レビューのお願いと、次の本の案内場所を作る → 巻末設計と読者リスト化
  2. 2冊目を出す。ただし1冊目と同じ読者を狙わない2冊目が1冊目を食べた話
  3. 作り方を仕組みにする。手作業のままだと5冊目で止まります → AI出版の全工程