教科書 03
巻末は余ったページではありません。
本を読み終えた人が、次に何をするかを決める場所です。
理由は身も蓋もありません。Amazonは、読者の連絡先を著者に渡さないからです。
誰が買ったのか、何人読んだのか、どこの誰なのか、著者には一切分かりません。新刊を出しても、既刊の読者に知らせる手段がひとつもないのです。
ここを空白のまま出している本が、驚くほど多い。もったいないという以前に、2冊目以降の売上が立たない構造になってしまいます。
26冊すべてで、この順番に統一しています。順番には理由があります。
要求の重さを、軽い順に並べています。
| 読者への要求 | 重さ |
|---|---|
| 星を付ける(レビュー) | 軽い。数秒で終わる |
| 次の本を見に行く | 中くらい。お金がかかる |
| メールアドレスを渡す | 重い。継続的な関係を結ぶ |
いきなり重い要求から始めると、読者は本を閉じます。価値を全部渡し終えてから、いちばん重いお願いをする。この順序を崩さないことです。
26冊すべての巻末に、既刊の一覧を載せています。これはつまり、26冊が互いに送客し合う網になっているということです。
読者が最初にどの本を手に取るかは選べません。しかし、どの本から入っても他の25冊が見える状態にはできます。売上の実データで、売れている本が特定の2〜3冊に偏りながらも、残りが薄く売れ続けているのはこの効果です。
手作業でやると、必ずどこかで力尽きます。実際には、既刊リストを1つのファイルで管理して、全書籍の巻末を一括生成しています。新刊を出したら、そのファイルに1行足して再実行するだけです。
この仕組みが成立するのは、原稿をテキストで持っているからです。詳しくはAI出版の全工程に書きました。巻末に既刊一覧を入れるなら、一括更新の仕組みとセットで考えてください。
ここからが本題です。メールアドレスをもらえれば、新刊を自分から知らせられます。
実際に使っている導線がこれです。
最初、特典ページに「登録済みの方はこちら」というリンクを置いていました。これでは登録しなくても入れます。撤去して、登録完了画面にしかURLが出ない形にしました。
自動返信メールを送れるサービスと、送れないサービスがあります。私が使っているものは自動返信がなく、登録完了メッセージ(100字まで)だけが読者に見せられる唯一の場所でした。
紙の本に印刷したQRコードは、あとから直せません。URLは一度決めたら固定し、中身を入れ替える形で運用します。実際、特典の構成を2回作り直していますが、URLは変えていないのでQRはそのまま生きています。
最初は「特典=1個のファイル」で作っていました。これをライブラリ形式(棚)に変えたのが効きました。
| 1個だけ | 棚にする | |
|---|---|---|
| 読者から見て | 1回もらって終わり | また増えるかもと思える |
| 著者から見て | 配信するネタがない | 追加するたびに告知メールが打てる |
一度、サイトの全記事に特典への誘導を入れる案を検討して、やめました。
理由は単純で、押し売りに見えるからです。読みに来ただけの人に、どのページでも登録を迫るのは品がない。
いま導線を置いているのは、データに関心を持った人がたどり着く場所だけです。書籍の紹介ページ、検証データの記事、特典ページそのもの。その3か所以外には置きません。
登録者数は増えにくくなりますが、集まるのは本当に関心のある人だけになります。リストは人数ではなく、届く率で決まります。
巻末は、本の中でいちばん地味なページです。それでも、2冊目以降の売上はほとんどここから生まれます。