教科書 05
出したのに売れない。そのとき犯人は、たいてい本文ではありません。
読者が最初に見るのは、説明文の冒頭3行だけです。
本を出すと、多くの人は本文の質を心配します。しかし読者は、本文を読む前に買うかどうかを決めています。判断材料は、表紙・タイトル・説明文・レビューだけです。
この記事では、そのうち自分で今すぐ直せる説明文・キーワード・カテゴリを扱います。どれも公開後にいつでも変更できます。
Amazonの商品ページをスマホで開くと、説明文は数行で「もっと見る」に折りたたまれます。私は冒頭3行を目安にしています。
つまり、どれだけ丁寧に書いた説明文でも、大半の読者は最初の3行しか読みません。
薄い部分は、多くの読者が開かずに離脱します。
| ありがちな冒頭 | なぜ効かないか |
|---|---|
| 「本書は〜について解説した一冊です」 | 全部の本が言える。情報がゼロ |
| 「あなたはこんな悩みを抱えていませんか?」 | 広告文の型として使い古されている |
| 「はじめまして。著者の〇〇です」 | 無名の著者の自己紹介に、3行を使う余裕はない |
| 目次をそのまま並べる | 読む理由が生まれない |
「もっと見る」を押した読者は、もう読む気がある人です。ただし通読はしません。スクロールしながら拾い読みします。
なので4行目から先は、文章として読ませるのではなく、見出しで区切ってブロックにします。
【 】で見出しを作り、その下に箇条書き。飛ばし読みしても中身が伝わる形にします。
「多くの」「かなりの」ではなく、3,716銘柄・11年・69%と書きます。数字は具体性の証明であり、本気で調べたことの証拠になります。抽象語で埋めた説明文は、中身がなくても書けてしまうので、読者は信用しません。
売り込みの文章で自分に不利なことを書くと、その本以外の記述の信頼度が上がります。「この著者は都合よく取捨選択していない」と伝わるからです。
逆に、良いことしか書かれていない説明文は、読者に「盛っているな」と思わせます。1つの正直が、10個の主張を支えます。
KDPではキーワードを7枠登録できます。ここで多いのが、1枠に単語を1つだけ入れてしまう誤りです。
1枠にはスペースで区切って複数の語を入れられます。実際に使っている7枠を、そのまま公開します(『億り人の損切り』の例)。
タイトル側に検索語が入っているかは、タイトル検索性チェッカーで確認できます。タイトルとキーワードは、役割を分けて設計してください。
Amazonの本はカテゴリに分類されて棚に並びます。ここで意識するのは1点だけです。
選ぶときは、本の内容に正直に合っている中で、いちばん具体的な棚を選んでください。無関係なカテゴリに入れて順位を稼ぐのは、読者の期待とずれて低評価を招きます。
なお、カテゴリの選び方や設定できる数はKDPの仕様変更が多い箇所です。以前はサポートへの依頼で追加できましたが、現在は登録画面で選ぶ方式に変わっています。いま何個選べるかは、必ず画面の表示で確認してください。
A+コンテンツという機能があります。商品ページの下部に、画像つきの紹介セクションを追加できるもので、無料です。
文字だけの商品説明と、図解入りのページ。どちらが「ちゃんとした本」に見えるかは言うまでもありません。無料なのに使っていない個人著者が多いので、差がつきます。
ここに挙げたものは、すべて出版後に変更できます。売れていない本があるなら、本文を書き直す前に、まず説明文の冒頭3行を疑ってください。