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教科書 05

説明文とキーワードの
決め方

出したのに売れない。そのとき犯人は、たいてい本文ではありません。
読者が最初に見るのは、説明文の冒頭3行だけです。

本を出すと、多くの人は本文の質を心配します。しかし読者は、本文を読む前に買うかどうかを決めています。判断材料は、表紙・タイトル・説明文・レビューだけです。

この記事では、そのうち自分で今すぐ直せる説明文・キーワード・カテゴリを扱います。どれも公開後にいつでも変更できます。

説明文 ―― 冒頭3行が、ほぼすべて

Amazonの商品ページをスマホで開くと、説明文は数行で「もっと見る」に折りたたまれます。私は冒頭3行を目安にしています。

つまり、どれだけ丁寧に書いた説明文でも、大半の読者は最初の3行しか読みません。

スマホの商品ページ(イメージ)
2026年6月、キオクシアは日本一の高さまで昇り、1ヶ月で7割墜ちた。

高値で飛び乗った人が焼かれ、「高すぎる」と空売りした人も焼かれた。
▼ もっと見る

薄い部分は、多くの読者が開かずに離脱します。

だから冒頭3行には、あらすじを書きません。 置くのは「読者が思わず続きを知りたくなる、具体的な事実」です。 上の例なら「1ヶ月で7割墜ちた」という数字と、「買った人も売った人も焼かれた」という矛盾。 ここで疑問が立てば、読者は「もっと見る」を押します。

やってはいけない書き出し

ありがちな冒頭なぜ効かないか
「本書は〜について解説した一冊です」全部の本が言える。情報がゼロ
「あなたはこんな悩みを抱えていませんか?」広告文の型として使い古されている
「はじめまして。著者の〇〇です」無名の著者の自己紹介に、3行を使う余裕はない
目次をそのまま並べる読む理由が生まれない

4行目から先は、読まれ方が変わります

「もっと見る」を押した読者は、もう読む気がある人です。ただし通読はしません。スクロールしながら拾い読みします。

なので4行目から先は、文章として読ませるのではなく、見出しで区切ってブロックにします。

【100年の証言】
リバモア、ダーバス、ドライハウス、オニール、ミネルヴィニ。
国も時代も手法も違う勝者たちが、全員同じことを言っていました。

【日本株の全数観測】
東証内国株3,716銘柄・11年分の日足を、自前で全数集計しました。

【観測が明らかにしたこと】
・「乗り遅れた」は勘違いだった ― 搭乗口は起点+25%
・出口を決めずに持ち続けると、69%が負ける

【 】で見出しを作り、その下に箇条書き。飛ばし読みしても中身が伝わる形にします。

数字を入れる

「多くの」「かなりの」ではなく、3,716銘柄・11年・69%と書きます。数字は具体性の証明であり、本気で調べたことの証拠になります。抽象語で埋めた説明文は、中身がなくても書けてしまうので、読者は信用しません。

都合の悪い結果も、書く

これがいちばん効きます。 私の説明文には、こういうブロックを入れています。

【都合の悪い結果も、そのまま載せました】
新高値型のほうが伸びる → 否定されました。
燃料計は読める → 読めませんでした。

売り込みの文章で自分に不利なことを書くと、その本以外の記述の信頼度が上がります。「この著者は都合よく取捨選択していない」と伝わるからです。

逆に、良いことしか書かれていない説明文は、読者に「盛っているな」と思わせます。1つの正直が、10個の主張を支えます。

キーワード7枠 ―― 1枠に1語ではありません

KDPではキーワードを7枠登録できます。ここで多いのが、1枠に単語を1つだけ入れてしまう誤りです。

1枠にはスペースで区切って複数の語を入れられます。実際に使っている7枠を、そのまま公開します(『億り人の損切り』の例)。

1損切り 株 投資手法そのもの
2リバモア LTCM ソロス海外の人名・事件
3行動経済学 プロスペクト理論学術の側から
4BNF 是川銀蔵 億り人国内の人名
5ダリオ プリンシプルズ関連書名
6投資ルール トレード実務の言葉
7投資 心理 規律心理・姿勢

設計の考え方

タイトル側に検索語が入っているかは、タイトル検索性チェッカーで確認できます。タイトルとキーワードは、役割を分けて設計してください。

カテゴリ ―― 棚を増やす

Amazonの本はカテゴリに分類されて棚に並びます。ここで意識するのは1点だけです。

大きなカテゴリで100位より、小さなカテゴリで3位のほうが読者に見つかります。 新刊が大きな棚で上位に入るのは、まず無理です。 小さな戦場で1番を取るほうが、はるかに現実的です。

選ぶときは、本の内容に正直に合っている中で、いちばん具体的な棚を選んでください。無関係なカテゴリに入れて順位を稼ぐのは、読者の期待とずれて低評価を招きます。

なお、カテゴリの選び方や設定できる数はKDPの仕様変更が多い箇所です。以前はサポートへの依頼で追加できましたが、現在は登録画面で選ぶ方式に変わっています。いま何個選べるかは、必ず画面の表示で確認してください。

あわせて入れておくもの

A+コンテンツという機能があります。商品ページの下部に、画像つきの紹介セクションを追加できるもので、無料です。

文字だけの商品説明と、図解入りのページ。どちらが「ちゃんとした本」に見えるかは言うまでもありません。無料なのに使っていない個人著者が多いので、差がつきます。

まとめ

ここに挙げたものは、すべて出版後に変更できます。売れていない本があるなら、本文を書き直す前に、まず説明文の冒頭3行を疑ってください。