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Kit 01
Kindleで出した本を、紙で出す。その全工程のキットです。
「何度アップロードしても下書きに戻る」――その原因は、ほぼ全部この中に書いてあります。
これは比喩ではありません。実際に起きたことです。
21冊分のペーパーバック表紙を作り、順にKDPへアップロードしました。全部が下書きに戻されました。 エラー文はこうです。
何度作り直しても同じでした。原因が分かったのは、唯一出版できていた1冊と、 落ちた21冊の寸法を1つずつ突き合わせてからです。
KDPは判型A5を「148×210mm」ではなく、5.83 × 8.27 インチ として扱っていました。
| ミリ基準で組んだ値 | KDPの要求値 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 幅 | 5.8268 in | 5.83 in | −0.006 in |
| 高さ | 8.2677 in | 8.27 in | −0.003 in |
0.1%未満のズレです。画面を何時間見ても、絶対に気づけません。 そして、これに気づかないかぎり永久に出版できません。
21冊は全部これでした。1冊だけ通っていた本は、たまたま寸法が一致していただけでした。
27冊分の入稿を通して分かったのは、紙で落ちる理由がほとんど決まっているということです。
このキットは、この4つを構造的に起こせなくします。
Kindle用のdocxから、印刷用PDFとラップ表紙を作ってKDPに通すまでの全工程。 上の4つの原因と対処、KDPの画面で選ぶ項目の一覧、 「エラーに見えるが問題ないもの」、改題するときの落とし穴まで。
ページ数から背幅と表紙全体のサイズを引く表。白色用紙とクリーム用紙の両方、 ミリとインチの両方。背に文字を入れてよいページ数の判定つき。
表紙PDFと本文PDFを渡すと、KDPに上げる前に検査します。
python check_cover.py 表紙.pdf --body 本文.pdf
[本文] 本文A5.pdf
OK ページ数 220p
OK 判型 5.827 x 8.268 in(A5)
[表紙] 表紙.pdf
OK ページ数 1
背幅 12.58 mm(220p × white) … 背文字OK
NG 全体サイズ 12.399 x 8.518 in
要求値 12.405 x 8.520 in(差 -0.006 / -0.002 in)
→ mm基準で組んだことによる典型的なズレです。--fix で補正できます。
他のソフトで作った表紙にも使えます。
Canva・Illustrator・Photoshopで作ってPDFにしたものを通せば、アップする前にズレが分かります。
--fix を付ければ、その場で補正されます。
Kindle用のdocxをそのまま紙にすると、画像と表が必ずはみ出します。 Kindleの画像は幅127mm想定、A5の本文幅は113mm。表は180mm幅で作られていて、 しかも「幅100%」の指定では直りません(列幅をtwips単位で書き換える必要があります)。 それを自動で直し、余白・ミラー綴じ・ページ番号・目次まで設定します。
手元のKindle表紙画像から、裏+背+表を1枚に並べた入稿用PDFを作ります。 背幅の計算、縦書きの背文字、バーコード領域の確保、そして最後の寸法スナップまで自動です。
正直に書きます。紙の手取りは、電子とほとんど変わりません。
2026年8月の実測では、有料1冊あたり電子¥751 / 紙¥735。ほぼ同額です。 「紙は単価が高いから儲かる」は、無料ダウンロードを分母に入れた数字の錯覚でした。
では紙を出す意味はどこにあるのか。電子では取れない客が取れることです。 同じ月の実測で、紙は18冊売れています。この18冊のうちどれだけが 「紙でなければ買わなかった人」かは分かりませんが、増分であることは確かです。
そして、Kindle Unlimitedで読んだ人に紙を案内する導線を巻末に置けるようになります。 読み放題は1冊あたりの単価が低いので、ここが効きます。
デジタルコンテンツのため、商品の性質上、購入後の返金には応じられません。
内容についてはこのページで具体的に開示していますので、購入前にご確認ください。
特定商取引法に基づく表記
手順書と早見表だけでも、作業は通せます。スクリプトを使わず、 Wordの設定を手で変えて、早見表のインチの値で表紙を作る形でも同じ結果になります。 スクリプトはその作業を自動化する付属品です。
Macでも動く作りにしていますが、確認は取れていません。 動作を確認しているのは Windows 10 / Python 3.12 です。 フォントが見つからない場合は、設定ファイルにフォントのパスを直接書けば動きます。
5×8、5.25×8、5.5×8.5、6×9 にも対応しています。 ただし実際にKDPの審査を通したのはA5だけです。
寸法・背幅・表紙まわりはそのまま使えます。 本文A5化スクリプトは横書きの本を想定して作ってあります。
手順書を更新し、購入者に無償で配布します。 ただし、KDPは予告なく仕様を変えます。入稿前には必ず管理画面の表示をご確認ください。
一部は無料で公開しています(背幅計算機と ペーパーバック化の手順)。 キットは、そこに載せていない検査ツールと、27冊分の手順の全部をまとめたものです。